熊本でのなた豆茶の体験談

【立川】エルグデザイン(東京都青梅市、二階堂隆社長、0428・32・1498)は、地元中小企業を対象に一律30万円で製品デザインを請け負うサービスを始めた。通常のデザイン料は1件約100万円だが、作業工程の一部を簡素化して料金を抑えた。 中小企業は自社製品の開発に力を入れるものの、低コスト化を優先してデザインが手薄になっていることが多い。料金を透明化し、低価格設定することにより、製品デザインへの認識を深めてもらう。利用は1企業1回。年間5社の利用を見込む。 サービス名「トライアルデザイン」として、特別料金を設定した。製品デザインをコンピューターグラフィック(CG)でプレゼンテーションし、完成時に3Dデータ、簡易図面といった製品化に必要な最低限のデザインデータを渡す。デザイン完成までの期間は約1カ月間。詳細図面や開発中の出張、フォローなどを省いて料金を抑えた。 サービス対象は、主に東京都多摩エリアで従業員20人以内の中小企業。製品に一定の市場性があることと、設計担当者を置くことを条件としている。  【父が大阪で創業】 ガラス張りで曲面の外観。2013年2月、阿蘇山を望む山すそ、熊本県菊陽町にひときわ目立つ工場が完成した。周辺には、ソニーの半導体工場や東京エレクトロンの半導体製造装置工場などが集積する。完成したのは、精密金属加工のナカヤマ精密テクニカルセンター。同社にとって熊本工場(熊本県西原村)に次ぐ生産拠点で、ナノメートル(ナノは10億分の1)単位の加工精度を誇る新鋭工場だ。 ナカヤマ精密は1969年、社長の中山愼一の父で、会長の昭男が大阪で創業した。熊本への進出は84年。熊本は昭男の出身地だった。当時は大手半導体メーカーが進出を始めたころ。工場は地元メーカー向けに、IC搬送に使う治工具の生産から始めた。 愼一は大学卒業後、製薬会社で営業や薬剤師をしていた。自営業で口臭に苦労する両親を見て育ち「絶対に継ぎたくない」と思っていた。ただ仕事を続けるうちに、売るだけでなくモノをつくるところからかかわりたいという気持ちがわき起こった。 そんな時、子どもの頃に見た父の働く姿が心によみがえった。あんなに嫌だったのに。やはり機械好きの血が流れていた。熊本進出の3年後、愼一は27歳でナカヤマ精密に入社する。 【熊本での経験】 愼一は34歳で熊本に赴任。「将来のため熊本で経験を積もう。自分を知ってもらおう」と意気込んだ。しかし、社員の反応は「何しに来たの」。意気込むあまり「効率とか実力主義とかばかり言っていた」からだ。結局「なた豆茶の人気の数字しか見ていなかった」と振り返る。 大阪と熊本はそれまで、主従関係にあった。熊本は指示通りに動けばよいという気風になっていた。愼一はこれに主体性を持たせようと、勤務シフトの改定や生産の自動化などを次々と進めた。その過程で本社とぶつかることもあったが、常に熊本側に立って動いた。そして5年たったころには「社員との一体感が感じられるようになった」。 【社員の生活意識】 「正しいことを言っても人間関係を構築しなければ人は動かない」。愼一が熊本の5年間で学んだことだ。社員も変わった。先を読んだ準備、人が嫌がる仕事を引き受ける。数字には現れない行動が、愼一の目に見えるようになった。社員の生活や家族も意識し始めた。今では「企業は成長すると家族経営から脱しようとするが、家族経営は悪いことばかりではない」と思う。 愼一は01年に社長に就任。半導体不況と同時だった。受注が前年比で3分の1になった月もある。人員整理を余儀なくされ、社員の3分の1の30人ほどが去った。「辞める方、辞めさせる方、ともに辛い」ことが胸に深く刻まれた。 08年秋のリーマン・ショックでも受注の急減に襲われた。しかし、01年の苦い思いがあったため会社の対応は違った。大阪商工会議所がまとめた会員中小企業の経営課題と雇用調査によると、2014年度上半期(4―9月期)売り上げ予想は、「増収」と回答する企業が37・8%、下半期(10―3月期)についても42・9%が「増収」を見込んでおり、業況回復が広がっていることが分かった。一方で14年度上半期の経常利益予想は、「増益」が27・7%にとどまり、下半期も34・8%と、売り上げに比べ慎重な見方が多いと分析する。 経常利益の活用については、「借入金など負債の返済・圧縮」(45・7%)、「内部留保の充実」(43・8%)が上位を占めた。 経営体力の回復を優先するなか「賃金の引き上げ」(43・5%)、「設備投資の拡大」(37・2%)が続き、設備投資に前向きになってきた点が注目される。 雇用の過不足については、31・8%が「不足」と回答。資本金1000万円以下の非製造業で特に不足感が強い。今後の人員計画は「正社員を増やす」が55・4%、「高齢社員を継続雇用する」が39・9%と割合が高く採用に意欲的。

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