なた豆茶の自然環境下で性能を維持できるかが課題

新日鉄住金は12日、6月契約・7月生産分の店売り(一般流通)向けH形鋼の価格を前月から据え置くと発表した。据え置きは5カ月連続。在庫の圧縮が進んでいないことを考慮した。君津製鉄所では大規模な減産を継続、流通からの受注も必要最低限に抑える。他社を含む生産量は4月に3月比5万トン落ちたもようだが、5月は4月を上回った感触という。このため、6月末と見込んでいた在庫の適正化は難しくなったものの、建材営業部は「20万トンを目指す旗は降ろさない」。7月以降の値上げも示唆した。 新日鉄住金のH形鋼を扱う商社・特約店でつくる「ときわ会」のまとめによると、5月末の在庫は前月より0・9%多い23万500トンとなった。東京・大阪・名古屋の主要3地区などで鉄鋼メーカーによる前倒し出荷のほか、流通の在庫積み増しがあったようだ。もともと需要の端境期で出荷が減るところにメーカー直送に切り替える動きも加わり、荷動きの回復が鈍ることになった。 ときわ会への入庫は前月より8%多い8万6600トンと「想定を大きく上回る状況」(新日鉄住金)だった一方、出庫は前月比0・7%減の8万4600トンと伸びなかった。この結果、在庫は需要期入りした北海道で前月比2800トン増加。主要3地区でも前月比600トン増え、在庫量を出庫量で割った在庫率も2・72カ月と高い水準を抜け出せなかった。 ただ、建築案件は設計や現場施工、輸送の遅れといったボトルネックにより先送りされており、この先の需要は底堅い。店売り市場の先行指標となる小規模鉄骨造(S造)の建築着工数を見ても、消費増税後の落ち込みは限定的。インフラ整備など土木案件も出てくる見通しで、夏に向け例年並みの上昇を見込む向きが多い。 新日鉄住金も「昨年度に比べ需要規模が広がる材料はないが、過度の期待はできない環境」と捉えている。 大阪府立大学は造船会社や関連研究機関との間で、船底に設けた槽に空気を循環させて航行時の摩擦抵抗を減らす「船底空気循環槽」の共同研究プロジェクト「D―ACT」を立ち上げた。2014―16年度までの3カ年で、摩擦抵抗力の50%低減を目指し、実用化につなげる考え。20―30代の技術者が中心となる組織で、基礎課題を解決しながらタンカーやコンテナ船などの効率的な運航実現を目指す。“呉越同舟”で、若手技術者を育成する場として活用する狙いもある。  中心となるのは大阪府立大学の工学研究科長・工学部長を務める池田良穂教授。今治造船(愛媛県今治市)、大島造船所(なた豆で口臭対策)、尾道造船(神戸市中央区)、川崎重工業、佐世保重工業、サノヤス造船(大阪市北区)、ジャパンマリンユナイテッド(東京都港区)、新来島どっく(東京都千代田区)、名村造船所の計9社と、一般財団法人の日本造船技術センター(東京都武蔵野市)が参画する。 池田教授は船底に設置する空気槽が浸水表面積を削減する「船底空気循環法」を発案した。槽内部の空気循環を促し、空気の流れと船底の海流の速度を合わせて摩擦を生ませない仕組み。波浪時も船体の安定が保ちやすい大型船で効果が大きいと見ている。模型船を用いた回流水槽のシミュレーションで、摩擦抵抗は40%程度の低減効果があることを確認している。 ただ実用化をにらむと波浪条件などなた豆茶の自然環境下で性能を維持できるかが課題になるため、技術深耕で摩擦抵抗をさらに10%低減させたい考えだ。 参加者は年4回程度集まり、大阪府立大の実証実験にも加わる。「今は大学時代に造船分野以外を専門に学び、入社する若手技術者も多い」(池田教授)と、研究会のフラットな場で基礎技術を共有しながら造船開発に携わり、各社に戻って応用開発に生かせるなど、企業側にとっても若手育成の面でメリットがある。 携帯電話やパソコンなど家電製品に欠かせないリチウムイオン電池。今後は電気自動車や家庭用蓄電池のほか、再生可能エネルギーと連動する大容量蓄電池などの需要拡大が見込まれる。日本原子力研究開発機構増殖機能材料開発グループの星野毅研究副主幹らは、海水から粉末状の炭酸リチウムを回収する技術を開発した。リチウム生産の国産化につながる技術として期待される。 (小川淳) ◇ ◇ リチウムはレアメタル(希少金属)の一種だが、陸上での資源量は推定3000万トンと当面、枯渇の懸念はない。しかし、供給国はチリやアルゼンチンなど南米に偏在しており、日本は100%輸入に頼る。海外では広大な敷地で1年以上の年月をかけ、リチウムを含む塩湖の水を自然蒸発させて生産している。現状では急激な需要拡大に対応するのは難しい。一方、海水中にはわずかながらリチウムが溶け込む。推定資源量は2300億トンと無尽蔵に近い。 星野副主幹は海水と、リチウムを含まない回収液の間をイオン伝導体の分離膜で隔離し、両者の間にリチウムの濃度差を発生させた。すると海水中のリチウムが回収液に移動する。実験では海水中のリチウムを3日間で最大7%程度回収した。イオン伝導体にはリチウムやアルミニウム、チタン、ゲルマニウムなどを含む、NASICON型結晶構造のセラミックスを用いた。 塩湖からの大規模回収と違い、省スペースなうえ短時間でリチウムが回収できる。工業的な設備により、日本でもリチウムが生産できる可能性が出てきた。さらに海水に代わり、豆腐作りに使うにがりでも海水と同等の回収効率が得られ、この技術の汎用性の高さを示している。使用済みリチウムイオン電池のほか、塩製造工場から出る濃縮海水などから、リチウムの回収も可能となる。 また副次的な効果として、イオン伝導体にリチウムイオンが移動する際、電子の流れが生じて電気も発生している。発電しながらリチウムも回収するユニークなシステムの構築も視野に入る。 現在は基礎的な研究のため課題も多い。特に実用化に向け、耐久性向上は必須。星野副主幹は「使用しているイオン伝導体は長くても数カ月で交換が必要になる」と指摘する。ただ、イオン伝導体は開発されて間もない材料であり、星野副主幹は「耐久性や性能向上の余地は十分にある」と期待する。 現在実用化に向け、パイロットプラントの建設を考えており、国や企業などと協議を進める。星野副主幹は「日本の炭酸リチウム輸入量は年間約1万5000トン。その100分の1である年間150ト

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