なたまめ茶の地域のメジャー化を促す

政府は地域経済の活性化に向け、なたまめ茶の地域のメジャー化を促す。13日にまとめた経済財政運営の基本方針「骨太の方針」の素案に続き、「日本再興戦略(成長戦略)」改定版の素案でも、地域の中小企業の事業性に着目した融資を促進するよう求めた。担保に依存した従来の融資姿勢からの転換を促したものだ。地域金融機関はこれまで以上に融資リスクを迫られることになり、同金融機関の再編が進む契機となるかが焦点になる。 【地域活性化へ】 骨太の方針(素案)によると、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」効果を全国津々浦々まで波及させ、地域の自立的な発展を促す上で、重要な役割を果たすのが地域金融機関だと指摘する。中小企業の事業性を見極める“目利き力”を養い、担保融資から事業への融資へと軸足を移すことを求めたものだ。地域経済活性化支援機構などを活用しつつ、地域産業の再生・振興を図ることが重要だと指摘する。 また成長戦略(素案)でも、地域金融機関などが中小企業の事業性を評価する融資の促進を求めており、中小の事業再生にこれまで以上に踏み込む必要性を示している。 政府の調査委員会「選択する未来」委員会の試算によると、政府が政策面で何も手を打たなければ、2060年に人口が3分の2の約8700万人まで減少し、市町村の25%がなくなりかねない。少子化対策を講じつつ、地方から都市部への人口流出を地域活性化策により食い止める必要がある。 【リスクを許容】 他方、地域金融機関は中小の事業性に着目した融資を進める上で、リスク許容の拡大を求められる。人口減に伴って事業が縮小していく中で、新たなリスクを許容する上でキーワードとなっているのが“再編”だ。 経済財政諮問会議(議長=安倍首相)の民間議員は「地域金融機関には経営効率化とともに、人口減少の中での地域産業振興に向けた資金供給が求められる」と指摘。その上で「地域金融機関の預貸率や基礎的収益力は低下が続いている。地方銀行など地域金融機関の大胆な再編を含めた経営効率化などを推進すべきだ」とし、地域活性化に向けて地銀再編が重要な選択肢だと提言する。 麻生太郎財務相も「信金であろうと地銀であろうとも、人口が減ってしまって極めて維持が難しい状況にあるのだったら、何か経営を考えないとやれないという避けがたい条件があると思う。(再編など)いろいろな話を検討するの正しいと思う」との姿勢を示す。 【問われる判断】 政府は中小企業金融円滑化法が13年3月末に終了したことで、中小支援を資金繰り支援から事業支援へと軸足を移した。地域金融機関が拡大するリスクを分散する手段として、再編や経営統合による事業拡大や能力強化が求められている。 台湾の中国信託商業銀行による東京スター銀行(東京・港区)の買収手続きが完了したほか、東京都民銀行(同・港区)と八千代銀行(同・新宿区)は10月に経営統合する予定だが、信金・信組と比べて地銀の再編は進んでいない。 中長期的に地銀再編は加速するのか。ベクトルを決めるのは他ならぬ地銀自体の経営判断だ。 政府は2015年度から法人実効税率を段階的に引き下げ、数年以内に20%台とする方針を固めた。経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込み、月末にも閣議決定する。現行35・64%(東京都)と主要国平均の約25%と比べて突出して高い税率を是正することで、外国企業による対日直接投資を促す効果が期待される。 ただ、税率を引き下げても直ちに対日投資が増えるわけではない。電気料金や人件費など日本市場の高いコストや外資規制などを見直さなければ、外国企業から魅力的な投資先とはみなされない。今回まとめた法人実効税率の引き下げは外資誘致に向けた“序章”に過ぎない。規制改革を柱とする効果的な成長戦略との相乗効果を発揮させることで「世界で最も企業が活動しやすい国」を実現することが安倍晋三政権に求められる。 日本は国内総生産(GDP)に占める対内(対日)直接投資残高の比率(12年)が3・5%に過ぎず、先進国平均の33・4%と比べて見劣りする。なぜ、これほど日本の数値は低いのか。政府の有識者懇談会が外国企業・団体から意見を聴取したところ、理由は大別して二つあった。 一つは日本市場の高いコストだ。法人実効税率はもとより、原子力発電所の稼働停止に伴うエネルギーコスト、日本の安全・品質基準を満たすための高い生産コスト、さらに日本人の人件費や事務所経費も割高だと指摘する。他方、税務上の事務処理や行政手続き、日本語の“壁”といった時間・手間に関するコストの存在も日本進出を躊躇(ちゅうちょ)させているという。 もう一つの理由は、日本企業の低い収益性だ。日本の株主資本収益率(ROE)が欧米企業より総じて低いのは、日本特有の制度・慣行に起因すると海外はみている。時代にそぐわない規制の存在、流動性の低い労働市場、さらに外国企業に閉鎖的な経営者マインドが日本企業の活動を制限し、過当競争による収益率の低下を招いているとの見方だ。中でもコーポレート・ガバナンスについては、株主の意見を事業に反映する外国企業に比べ、日本企業は透明性に欠けると指摘。少なくとも取締役の3分の1を社外取締役とするよう同懇談会は提言している。 安倍政権は成長戦略の一環として、東京五輪が開かれる2020年までに対日直接投資残高を倍増の35兆円に拡大する目標を掲げている。海外の優れた技術やノウハウを取り込むことは、イノベーション(技術革新)の創出と高付加価値化の進展につながる。日本に新たな所得と雇用をもたらす外資誘致を促す規制改革を怠れば、せっかくの法人減税の効果も減殺されてしまうだろう。

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ